訴訟提起〜パラリーガルシリーズ
昨年末に訴訟提起をしたので、今回はそのことについて書こうかと思います。
まず、持ち物の確認。
①訴状(正副一部ずつ。正本というのは、裁判所に提出するもの。副本というのは、相手方に送付する分です。自分の手控え分は控(ひかえ)といい、依頼者に渡す分は写(うつし)といいます。)
②相手方が法人の場合は、登記事項証明書。
自然人の場合は、住民票。
③訴訟委任状(依頼人の方が、弁護士に訴訟の遂行を依頼する旨の委任状です。弁護士に頼まずに自分でやる場合には要りません。上部に捨印も捺してもらいます。捨印があれば、委任状の記載に間違いがあっても、修正印なしで修正することができます。)
④申立手数料分の収入印紙(これは訴額と訴訟手続の種類によって変わります)
⑤予納郵券
予納郵券というのは、裁判手続きで使用する予定の切手を、あらかじめ裁判所に納めておくことを言います。
通常訴訟の第1審では全部で6000円分で、五百円切手が何枚、百円切手が何枚、五十円切手が〜というように、複雑な組み合わせです。
裁判所の地下の郵便局で買うと、セットになってビニール袋に詰まった状態で買えます。
虎ノ門や四ツ谷など、弁護士事務所が多い地域の郵便局で買うと、手際良く揃えてくれますが、慣れていない郵便局に行くと結構手間取ったりします。
以前、家の近所で買ってみたときは、ちょっと特殊な手続き感があるせいか、心なしか局員さんが楽しそうに張り切っていたように思いました。
裁判所のホームページを見ると、「郵券現金納付のお願い」とあるので、もしかしたら現金納付が推奨されているのかもしれません。私はまだ経験がありませんが。
訴訟提起には特に弁護士事務所職員の身分証明書などは必要ありません。
職印も基本不要ですが、訂正箇所がある場合には、訂正した後、訂正印を捺す必要があるので、持っていく方が安心です。
訴訟提起も裁判所に行きます。
今回は東京地裁に行きました。
2019年12月18日の記事に書いたように、東京地裁の日比谷公園と反対側の方の入り口に向かいます。
その棟の14階にある、民事訟廷事務室事件係に行きます。
中は、カウンターの前に長いベンチが並んでいる部屋です。
そのカウンターの上に、発券機があるので、訴訟提起のボタン(画面上)を押して、券を出します。
番号を呼ばれたら、係員の方のところに行き、訴状一式を手渡します。
確認してもらう間、しばらく待ちます。
収入印紙と郵券は訴状等の確認が終わってから渡すことになります。
次は、〇〇先生、など、名前を呼ばれるので、呼んだ係員の方のところに行きます。
訂正部分があれば訂正し、不足の書類などがあったら、後日追完します、ということもできます。
収入印紙を訴状の表紙に貼り付け、予納郵券を納めたら、基本的にはこの業務は完了です。
以上に加えて、訴状の控を持って行って、受付印を捺してもらうこともできます。
このときの訴状は分厚かったので、訴状の控えの表紙だけ持って行き、捺してもらおうとしたら、訴状として完全なものでないとだめだと断られてしまいました。
表紙だけでも捺してくれる方もいますが、完全なものに捺す、というのが本来であるようです。
裁判所としては、受付票を渡すのだから、それで受け付けた証拠としては十分だろう、という判断のようです。
控えに受付印が欲しい方は、訴状一冊を持っていくように気を付けてください。
受付票に、事件番号と係属する裁判所の部と係が記載されているので、はやめに事件一覧表に転載しておくとのちのち便利です。
基本的に、裁判所の方が、しっかりチェックしてくださるので、安心です。
職印と現金をしっかり持てば、それほど困ったことにはなりません。
行ってらっしゃーい