星新一「一つの目標」(あらすじの記載あり)
星新一の短編集に収録の、「一つの目標」
以下、あらすじが書いてあります。今から読みたい方は本編を読んでからにしてくださいね。
息子の読書感想文用に、なるべく短いものをと思い、選んだ本
世界中の頭のいい人たちが、秘密結社を作り、世界征服をして、理想の世界を実現する
しかし、いざ理想の世界が実現してしまうと、目標が失われてしまい、つまらなくなってしまった
そこで、問題だらけの元の世界に戻そうと決める、というお話
もちろん、本当に理想が実現したとしても、きっと次々に他の問題が続発するだろうから、目標がなくなりつまらなくなる、ということは決してないのだろうけれど
このお話を読んで救われた気分になったことがある。
というのは、最近、Twitterなどで、いろいろな情報に触れるにつれ、この世界の不条理、不公正、不正義に、かなり悲しくなっていて、絶望的な気分になることがあったから。
でも、この悪い部分を、直すべき目標とすればいいのではないかと思えたのだ。
この不完全な現実の改善を目標として掲げ、それに向けて努力していく、というところに、やりがいがあり、生きていく楽しみがあるんじゃないか
すなわち、この現実は変えられない絶望ではない。あくまで、これから改善していくことのできる課題なのだ
パズルを解くように、楽しみながら、現実を理想に近づけていこう!